elliot smithとは
エリオット・スミス(Steven Paul “Elliott” Smith, 1969年8月6日 – 2003年10月21日)は1990年代から2000年代前半にかけて活動したアメリカ合衆国のシンガーソングライター。
オルタナティヴ・ロックバンド、ヒートマイザーの一員として活動中の1994年にソロデビュー。
1996年にヒートマイザーが解散した後はソロ活動に専念し、
1997年の映画「グッド・ウィル・ハンティング」に提供した「Miss Misery」がアカデミー歌曲賞にノミネートされたことで一躍脚光を浴びる。
6枚目のアルバムを制作中であった2003年10月21日、カリフォルニア州ロサンゼルスの自宅で胸に2箇所の刺し傷を負い、死亡。要因は今も不明。
ローリング・ストーン誌の2007年11月号の企画、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も過小評価されている25人のギタリスト」において第23位。
-参照:wiki-
先日ご紹介した映画「グッド・ウィル・ハンティング」にelliot smithが楽曲提供した「Miss Misery」
切ないメロディと歌声。
それはけっして陰鬱なものではなく、むしろ祭りの余韻のような静けさを含んだ名曲だと思っています。
昨年は早いもので、elliot smithの没後10年にあたり、それでも尚コアなファンはいまだ多くいます。
私もこの「グッド・ウィル・ハンティング」にてelliot smithを知った新参者ではありますが、
タワレコなどで彼の過去のアルバムを探してはよく深夜に仕事しながら聞いていました。
さて、今回はこのMiss Miseryの歌詞にフィーチャーしながら筆を進めていきたいと思います。
まずはms.miseryの英詞
I’ll fake it through the day
With some help from Johnny Walker red
And the cold pain behind my eyes
It shoots back through my head
With two tickets torn in half
And a lot of nothing to do
But its alright
Cause some enchanted night I’ll be with you
Tarot cards and the lines in my hand
Tell me I’m wrong
But they’re untrue
Got plans for both of us
That involved a trip out of town
To a place I’ve seen in a magazine that you left lying around
I cant hold my liquor
But I keep a good attitude
Cause its alright
Some enchanted night I’ll be with you
Though you’d rather see me gone
Than to see it come the day ill be waiting for you anyway
Next door the TV’s flashing blue frames on the wall
Its a comedy from the 70s
With the lead no one recalls
Vanished into oblivion
Its easy to do a
And I cry to see
When you talk to me
The day you said we were through
But it’s alright
Some enchanted night I’ll be with you
そして
Miss Misery 翻訳
僕はジョニー・ウォーカー・レッドの酒の力を借りて
一日を何とかごまかしてやり過ごすだろう
悪い考えを僕の頭の中に吹き込むために
毒を雨のように排水口まで降らせてくれ
2枚のチケットは半分に裂いたから
もうこれ以上何もすることはない
君は僕がいなくて寂しくはないの、ミス・ミゼリー(=悲嘆)?
君が言っているように君はしているの?
(=君は君の本心で行動しているの?)
暗闇の中にいた男が僕の手相を見て
僕がほとんど間違いを犯さない強い人間だと言った
「それはあなたのことではないの?」と僕は言った
僕は僕たちのために
君が部屋に残していた雑誌に載っていた場所まで旅行する計画を練っていた
もう君は僕のそばにいないけれど
僕は気丈な振る舞いを保っている
君は僕がいなくて寂しくはないの、ミス・ミゼリー?
君が言っているように君はしているの?
こんな状態の僕を見るよりも
立ち去っていく僕を見る方が君にとって良いことだと僕には分かっているけれど
僕の人生はこんなものなのさ
隣の家ではテレビがついていて
部屋の壁は青い枠で囲まれている
これは勘違いの喜劇で
“尻拭い”についての話なんだ
世に忘れ去られることは簡単なことだから
僕はそうしようとするけれど
君は僕のことを知っている
君も僕のことを求めるのならば僕は戻るよ
君は僕がいなくて寂しくはないの、ミス・ミゼリー?
君が言っているように君はしているの?
独特の歌詞が織りなす世界観。
簡単に考えれば、別れを示唆する歌詞なのだろうけど、
実際は違うと思った。
このMis.Miseryとは他ならないelliot smith自身の苦悩を指しているんだとおれは思う。
ちょうど、この映画「グッドウィルハンティング」の主人公、ウィルハンティングも幼少のトラウマから
人を自分のうちにうけいれない(捨てられる・傷つけられることの恐怖)
という青年。
でも、自分と重なるような大学生(知識をひけらかすインテリ、語っている言葉は本の受け売りで自分の考えではない)に苛立ったりする描写がある。
そのことからも、そんな知識だけは豊富に一度読んだ本から瞬時に蓄積できるが
自分という個体が放つ声を恐れてしまう青年と、
elliot smith本人を重ねて、
「ほんとうにこのままでいいのか、自分?」
という問題定義を歌に歌詞に込めているように感じてならない。
実際に楽曲と映画がシンクロしていると感じるし、
きっと儚い願いがそこには込められていたんじゃないかなと推測する。
しかし、1ファンとしては非常にelliot smithの死というものは残念であるし、
真実は墓の中ではないけど、推測や想像の域でしかない。
劇中では、ウィルハンティングは後半自らのトラウマを経ち、そして旅立っていく。
そこで流れるのが、「Miss Misery」なのだから、こちらの涙腺も当然ながら崩壊してしますわけです。
そして、日本が代表する今はなきロッカーhide.
hideとは
hideは、日本のミュージシャン、シンガーソングライター。X JAPANのギタリストである。X JAPANでは大文字で「HIDE」、ソロ活動では小文字で「hide」と、表記を区別している。33歳没。
参照:wiki
こちらは没後もう15年。
青春をともに駆け抜け、そしてどのスタンスにも属さない新世紀のロッカーhideの楽曲もその後何度となく
ベスト版やトリビュート版の発売がされ、XJAPANの再結成も記憶に新しい。
そんなhideの楽曲でmiseryつながりで、
奇しくも「misery」という曲がある。
miseryとは、不運や不幸を意味するので決して縁起の良いタイトルではない。
しかし、
misery歌詞
ハレルヤ ラ ミゼラブル
Do you wanna show me how low & low?
ハレルヤ ラ ミゼラブル
Do you wanna show me how low & low?
SAY ハレルヤ
君の痛み うれしそうに 羽根を広げて舞い降りてくる
昼の光は 君の傷を抱いて 優しく広げてゆく
ハレルヤ ラ ミゼラブル 星の嘆き聞けば
ハレルヤ ラ ミゼラブル ほんの小さな事だろう
SAY ハレルヤ
夜の闇に落ちてゆけば 忘れてしまう事なのかも
揺れる思い つかのまの夢 小さな悲劇
降る星の数 数えたら 泣くのに飽きたろう
笑う月の蒼さ 傷をなでて 閉じてゆく
Stay free your misery.
降りそそぐ悲しみを その腕の中に抱きしめて
Kiss your misery.
枯れるまで踊るだろう 全て受け止めるよ このまま
Stay free my misery.
Stay free my misery.
Stay free my misery.
Stay free my misery.
炸裂する痛みが 駆けぬけるだけの風ならば
Stay free my misery.
雨のち晴れを待とう ほら 君の涙を食べちゃおう
悲しいと言うならば 空の青ささえも
届かないもどかしさに 君は泣くんだろう
君の小さな身体包んでる夢は 痛みを飲みこみ 鮮やかになる
Stay free my misery. 手を伸ばせば感じる その痛み両手で受けとめて
Stay free your misery.愛しさを 憎しみを 全て受け止めて そのまま
Stay free your misery.
Stay free my misery.
降りそそぐ悲しみを その腕の中に抱きしめて
Stay free your misery.
枯れるまで踊るだろう 全て受けとめて この空の下で 君が笑う
ハレルヤ ラ ミゼラブル
I wanna show you how low & low?
ハレルヤ ラ ミゼラブル
Do you wanna show me how low & low?
ハレルヤ ラ ミゼラブル
I wanna show you how low & low?
ハレルヤ ラ ミゼラブル
Do you wanna show me how low & low?
SAY ハレルヤ!
時折訪れる悲劇も、星の数を数えたらちっぽけなもんさ。
Hallelujah(Welcomeだぜ!イエーイ)というポジティブにとらえて楽しく生きていこうじゃん!
という感じの非常に前向きな楽曲。
同じアルバムに入っていた「good bye」もタイトルと違って、1つの別れに気持よくさようならをして
当然未練とかはあってもまた歩き出そうぜ!というちょうどX解散のあたりに制作されたので
彼にとってのmiseryもgood byeも自分自身のこれからを唄うものであったのだとも思った。
または、解散を名残惜しく思うファンに向けて
結局この2つの楽曲は国は違えども同じことを謳っているんだと感じた。
別れは終わりじゃないし、
生きてりゃ悲しいこともあるけど、強くいきてこうぜ!うぃ!
ということだと思う。
新年始まったばかりだけど、
結局新年を迎えるのは去る年と別れを告げることだ。
昨年までほぼ毎日同じ時間を過ごしていた大切な教え子が今冬帰省して一緒に仕事ができた。
彼女にとって、故郷はすでに非日常で、今生活のベースを置く東京が日常。
なるほど、自分のベースはもうすでに非日常というものなのかと一抹の淋しさは否めないが、
それでも、仕事柄、外のデカイ世界へ送り出すのが仕事だから
そういう意味では、きちんとおれは仕事を果たせたのかな?
そんな達成感とともに
2つの楽曲が頭を過ったので、今回はこんな湿った書きっぷりとなりました。
ともあれ、元気な顔を見れたことがとてもおれは幸せでした。
メインのしごとの話はあまりここではしたくないのだけど、それでもそんな感情を書きとどめておこうと思いました。
おれ自身も日常と非日常が織り交ざった2014年となりそうだけど、
本業もラジオもともにきちんとこなして、
ねじれが起きないように律していきたい。
そんな1月5日です。
writer:かみじょー
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