勤労学生とは
所得税法における「勤労学生」とは、 以下の何れかに当てはまるもので、
勤労による所得(給与所得など)があり、合計所得金額が65万円以下で、
かつ、勤労によらない所得が10万円以下のものをいう(所得税法第2条第1項第32号)。
1.学校教育法第1条に規定する学校(小中高、専門、大学など)の学生、生徒または児童
2.国、地方公共団体、学校法人、医業を行う農業協同組合連合会及び医療法人等が設立した専修学校や各種学校の生徒で、職業に必要な技術を教えるなど一定の要件に当てはまる課程を履修するもの
3.職業能力開発促進法の規定による認定されている職業訓練校で一定の要件に当てはまる課程を履修するもの
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所得別の控除
所得控除
【103万円以下】
扶養控除 有
勤労学生控除 有
【103万円~130万円以下】
扶養控除 無
勤労学生控除 有
【130万円以上】
扶養控除 無
勤労学生控除 無
という控除対象になります。
つまり、学生が年間103万円以上の収入となってしまうと
扶養控除がハズレてしまう。
年間130万円超えると扶養控除も勤労学生控除もない。
扶養控除を外れるとどうなる?
1.学生本人に所得税がかかる(所得103万円以下)
⇒学生に所得税、住民税がかかります。
年収132万円だとして
所得税 14500円
なお、国民年金払っていればその分控除できるので、その分申告すれば税金は安くなります。
親の所得税や住民税が増税になります。
親の所得がわかりませんのではっきり言えませんが、一般的な所得なら
所得税 +63000円前後
住民税 +45000円前後
の増税になります。
2.学生本人に住民税がかかる(自治体により異なる)
⇒学生の年収132万円だとして住民税 35500円(住民税は前年の所得に対して翌年(6月から翌々年5月)課税です。)
3.親御さんの健康保険を扶養者から外れる。(120万円以下)
⇒減免なしだと33300円。
4.親御さんが、所得税の扶養者控除(103万円以下)を受けられなくなる
下を参照。
5.親御さんが、扶養者手当てなど(会社等により異なる)を受けられなくなる
従いまして、勤労学生の申請をして130万円まで稼ぐと
本人の課税額は0になりますが、扶養控除は外れるということになるわけです。
・勤労学生控除は貴方自身に適用されます
103万以上になる場合に、年末調整時の提出書類で勤労学生にチェックを入れて必要書類(在学証明書等)を添付して提出すれば
130万までの収入なら、103万未満の時と同様に所得税、住民税が処理されます。
・親御さんには、貴方が103万を越えた場合、貴方に対する扶養控除は出来なくなります。
(税金上の扶養ではなくなる)
所得税では 31500円(5%)、63000円(10%)、126000円(20%)、位 所得税が増えます。
( )は所得税率
住民税では おおよそ45000円位翌年の住民税が増えます
親御さんの会社が家族手当、扶養手当等を支給していた場合、支給規定で停止される場合もあります
親の所得税控除額
所得税の速算表
課税される所得金額:税率:控除額
195万円以下:5%:0円
195万円を超え~330万円以下:10%:97,500円
330万円を超え~695万円以下:20%:427,500円
695万円を超え~900万円以下:23%:636,000円
900万円を超え~1,800万円以下:33%:1,536,000円
1,800万円超~:40%:2,796,000円
親の住民税控除額
課税される所得金額:税率:控除額
330万円以下:10%:0円
330万円を超え~900万円以下:20%:330,000円
900万円を超え~1,800万円以下:30%: 1,230,000円
1,800万円超え~:37%:2,490,000円
つまり、
簡単に言えば子どもが控除なら外れた途端、親の支払うべき所得税、住民税が増加してしまう。
その額について下に大体をまとめてみました。
- 親の年間所得が200万円で扶養控除がハズレてしまった時の増税額は
- 親の年間所得が330万円で扶養控除がハズレてしまった時の増税額は
- 親の年間所得が695万円で扶養控除がハズレてしまった時の増税額は
- 親の年間所得が900万円で扶養控除がハズレてしまった時の増税額は
63万×0.1+45万×0.1=10.8万円の増税。
63万×0.2+45万×0.2=12.6+9=21.6万円の増税。
63万×0.23+45万×0.2=14.49+9=23.49万円の増税。
63万×0.33+45万×0.3=20.79+13.5=34.29万円の増税。
という風になる。
つまり、学生が130万円を超えてしまうと親は10万~34万円の増税となってしまう。
つまり、130-103=27万円。と学生本人が収入が増加しても、親の払うべき税金が同等額増えてしまうのであれば意味がない。
であれば、130円までに留めておいて、親からお小遣いを増やしてもらったほうが家計に優しいでしょう。
勤労学生と扶養家族控除まとめ
103万以内に抑えることがやはり肝心かもしれない。
しかし、130万円までなら、勤労学生カウントなので、大丈夫。
130万円を超えると本人は扶養家族から外れた分、自身で払わなくてはならないものが増える。
親は所得税や住民税が増える(10万円~)
基本的に申請は自分でしないと誰もしてくれないので、自分からしよう。
writer:かみじょー
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コメント
コメント一覧 (2件)
いきなり失礼します。
『 課税される所得金額:税率:控除額
330万円以下:10%:0円
330万円を超え~900万円以下:20%:330,000円 』
とあるのに、330万の計算の時に所得税がかかっているのはなぜでしょうか…
申し訳ないです自己解決しました。
ご迷惑おかけしました