スラムダンクは何故大ヒットしたのか?
スラムダンクが大ヒットした理由を上條なりに考えてみた。
君が好きだーとーォさけびーたい!
どうも、漫画大好きライター上條です。
今回の記事はジャンプの大ヒット漫画、スラムダンクのヒット理由を考えてみたいと思います。
この記事のきっかけになったのは、
ちょうどさっきまで自宅物置を片付けていたら、スラムダンク完全版全巻が出てきました。
あれー??ここにあったのか!
と父に聞いたら、先日の引っ越しで片付けきれない漫画を物置にしまっておいたそうです。
ちなみにバガボンドも出てきました(笑)
折角なので自室にスラムダンク完全版を全巻持ってきて読んでいたのですが、
今読んでも面白い!
井上先生、早くバガボンド完結させてスラムダンク2の連載をしてほしいぜ!
と心から思った上條です。
その時、ふと思ったのは、
という疑問。
ジャンプ漫画でそれまでバスケを題材にした漫画がスマッシュヒットを飛ばすこともなく
世間は、スポーツ漫画といえば
サッカー;キャプテン翼など
野球:ドカベン、名門第三野球部、キャプテンなど
という感じでバスケ漫画?え?本当にバスケの漫画を書くの???
と当時の編集者さんもスラムダンクの連載前には思ったそうです。
しかし、時代がスラムダンクを大ヒット漫画に導いた!
そんな気さえしますが、
今回はそんなスラムダンクの大ヒット理由を徹底解剖していきますよ!
スラムダンクの大ヒット理由は桜木花道にある
スラムダンクの大ヒット理由は、主人公の桜木花道にある。
これが最も大きな僕が考える理由です。
当時のジャンプはまだまだ不良漫画の全盛期で
幽遊白書の浦飯幽助も不良。
ろくでなしBLUESも不良!
不良の仁義っていうか、男気が受けていた時代でした。
しかし、不良漫画=不良スタイルを貫く、不良ライフが一般的で
スラムダンクの桜木花道のように、
不良がいきなりバスケを始める!
なんていう展開の漫画は少なかった。
素行が悪い不良桜木花道がひたむきにバスケに取り組む姿は
読者の胸に刺さりました。
これ、不良がいきがって、やんちゃやってたりしたら
きっとスラムダンクのあのような大ヒットはなかったでしょう。
いわば、
読者に劣等感がある人間も、努力しだいではまた違った道が開けるんだ!
と体現してくれたのが桜木花道だったのです。
スラムダンク大ヒットの理由は流川楓にある
スラムダンクの大ヒット理由として、
桜木花道の永遠のライバル(一方的かも)
流川楓。
クールな主人公のライバルキャラであり、恋のライバルでもある。
基本主人公とは打ち解けていなくて半目しあっている関係。
あれれ???
これってNARUTOでいうところのナルトとサスケと同じ関係性だし、
はじめの一歩で言う所の幕之内一歩と宮田一郎の関係とも同じです。
つまりは、大ヒット漫画にはライバルの存在が必須!
ライバルは、クールで才能が主人公よりもあり、
最初は半目しあっている。
そのうち努力の末に成長した主人公に一目を置く
という流れがヒット漫画の多くにあります。
次世代漫画でも
ブラクロ:アスタとユノ
ヒロアカ:デクとかっちゃん
という風に時代を越えてもこの主人公とライバルの関係性というものが存在します。
もっと踏み込んで考えると、
結局スクールカーストの話になるのですが
読者は主人公に共感性を感じるほどその漫画が好きになります。
クラスで人気者の友達に一目置かれたいな
という中高生なら多くの人が持っている願望を具現化させているのが
この漫画でいう主人公とライバルの関係性にあるわけです。
スラムダンクの大ヒットの理由はなろう系漫画がまだなかったから
スラムダンクの大ヒットの理由として、
当時90年台は今で言う「なろう系作品」があまりありませんでした。
※なろう系作品とは、一般的にチートキャラで俺TUEEE!!的な最初から強い主人公が活躍する作品
最近のムーブメントでは、
最初から俺TUEEE系作品が多い。
SAOをはじめ、ワンパンマンなど
圧倒的強者が主人公で、時にハーレムを築いていたりする漫画が多いです。
今放送中の百錬三郎こと、百錬の覇王と聖約の戦乙女もその一つですね。
90年台はまだ努力して結果を掴むことが美徳とされており、
おそらく桜木花道が最初からバスケ強者だったら
あの時代にあそこまでの大ヒットは望めなかったでしょう。
スラムダンク大ヒットの理由は、安西監督にあり
スラムダンク大ヒットの理由は安西監督になる。
これも大きい。
実際、漫画で監督は登場します。
ルーキーズしかり、はじめの一歩しかりですが
監督が魅力的であるほど、
特に部活をやっている読者層には受けますし、
また当時の運動部の顧問、監督ってけっこうオラオラ系監督が多かったです。
試合でミスをすれば正座させてお説教
体罰もあり!の時代だったので、安西監督のようなおっとりした名将というものが
とても新鮮でした。
安西監督はおそらくスラムダンク史上最も有名な名言を言った人物でもあります。
桜木花道:ヤンキー
流川:人の話聞かない
みっちー:バスケ部潰す!
宮城:元ヤンキー
ゴリ:スポーツマン
という有る種爆薬を抱えるような湘北バスケ部の柔和剤になっているのが
安西監督の存在なのです。
安西監督は桜木や三井、宮城の持っている悪い部分を助長しないし、
また叱らないでもたしなめることができる。
これ、もしも安西監督がイケイケな監督だったら
きっとスラムダンクのイメージも大きく変わったでしょう。
スラムダンクの大ヒットの理由は桜木花道の活躍にある
スラムダンクの大ヒットの理由は、きちんと要所要所で主人公である桜木花道が活躍している点にあります。
BLEACHを読んで僕がフラストレーションたまったのは、
主人公の黒崎一護が要所要所で活躍していない点。
修行をしてもなかなかいかせていないし、
強くなったメカニズムがイマイチわからなかった。
しかし、昨今の大ヒット漫画ではやはり
主人公がここぞという場面で活躍しています。
桜木も、一番最初の対陵南戦では、
フンフンディフェンスを見せたり
仙道のシュートをカットしたり
と活躍していますし、
その後の試合でもダンクをかましたり、
庶民シュートを放ったりと活躍をしています。
これ、読者としては
って思えてきます。
いわば、桜木花道という存在が
自分自身にできなかったこと、またはやりたかったことを代わりに体現してくれている存在である
これもスラムダンク大ヒットの理由でしょう。
スラムダンクが大ヒットしたのはミッチーの先生、バスケがしたいですから
スラムダンクが大ヒットしたのは、おそらくコミック10巻(連載3年め過ぎ)くらいから本格的に大ヒットしてきました。
これは、宮城、三井という新メンバーが加入する前に
湘北バスケ部が不良との喧嘩でなくなってしまうかも!
これってめっちゃやばいよね?
という不安感が高すぎました。
あの三井たちが乗り込んでくるあたりは
一切バスケ漫画っぽくないし、
これ一体どうなるんだろ?
ヤバイ状態じゃん!
という不安!いわゆる読者はフラストレーションがたまりますし、
もうちょっとあの不良VS湘北バスケ部が長引けばスラムダンク自体が嫌いになってしまう読者もいたかもしれません。
ちょうどいい尺で解決し、
三井が髪を切って、バスケ部に復帰。
宮城も最初はなんだか嫌な奴という印象だったけど、
あの一件が読者の心を掴みました。
実は宮城も三井もめちゃいいやつやん!もう喧嘩すんなよ!
というウェルカムな気持ちに変換したのが大きかった。
さすがは井上先生!というところですね。
スラムダンク大ヒットの理由はアニメ化にもある
当時土曜日にスラムダンクは、セーラームーンが終わった19:30から放映されていました。
今や土曜日のゴールデンタイムにアニメを放映などされませんが、
セーラームーンという女の子に大人気なアニメの後に、スラムダンク!
これは当時の土曜日の楽しみの一つでした。
アニメは作画がイマイチ!とか言われていますが
オープニングとエンディングが名曲しかなかった
・スラムダンクオープニング曲一覧
君が好きだと叫びたい / BAAD
ぜったいに 誰も / ZYYG
・スラムダンクエンディング曲一覧
あなただけ見つめてる / 大黒摩季
世界が終るまでは… / WANDS
煌めく瞬間に捕われて / MANISH
マイ フレンド / ZARD
君がすきだーとォ叫びーたい!
あーなただーけみつめーてる!
せかいがおわるまではー!
きらめくーときにとらわーれむちゅーでーいーたいー
ぜったいにーだれもーあーやーつーれーなーぃ
かがやいていてねーあのころのままーひとみはーまいふれんー
ビーイング系のアーティストで固められたスラムダンクの主題歌!
このチョイスは神がかっているだろ!
今でも思います。
うまい事タイアップアーティストをキャスティングさせたな!と思います。
そんなわけで、ジャンプを立ち読みできない層も、アニメでスラムダンクが好きになっていきました。
スラムダンクの大ヒット理由は引き伸ばししなかったことにある
スラムダンクはインターハイ2回戦で山王戦を勝利し、その後ボロ負けして
終了!花道は背中に怪我を負ってリハビリ。
宮城が新キャプテンになり、晴子さんはマネージャーに!
と世代交代して幕を閉じました。
僕は思いました。
もっと続きみたいな!
あれから桜木花道たちはどうなったんだろう?
なんて多くの読者も思ったことでしょう。
集英社は基本的に人気作家を引き伸ばすと言われていますが、
スラムダンクはいい所で終わった。
安室奈美恵の引退のタイミングと同じです。
惜しまれながらエンディングに持っていくのが
終わってからも名作と言われる所以なのです。
あのままズルズルやっていても
山王戦以上の試合を描けなかった。
と作者の井上先生も何かのインタビューで語っていましたが
やはり、最高潮のところで終わったからこそ、
読了感が良い作品となったのではないでしょうか?
スラムダンク大ヒットの理由はライバル校にもある
スラムダンクが大ヒットした理由として、
陵南高校、海南付属高校、翔洋高校、山王工業高校
などライバル校のライバル達も魅力的でした。
陵南:仙道、魚住などメインキャラもそうですが、福ちゃんこと、福田吉兆がすきだった。
あと池上。池上くんはいい父ちゃんになりそう。
海南付属は、ジィこと牧、清田信長!魅力的な選手が多い
そう、冷静に考えればわかりますが、
漫画って主要キャラ(味方キャラ)だけ魅力的でキャラ立ちしていてもダメです。
ライバルキャラの名前が覚えてもらえて愛着を持ってもらえること。
これが大切。
未だにライバル校の選手名が漫画みなくても思い浮かぶのは
そういった各学校毎のキャラ設定がしっかりしていたからだと思います。
スラムダンク大ヒットの理由はダラけなくスムーズに進行したから
コミックス30巻くらいで完結している漫画でも、途中
なんだこの闘いは????
この編はちっともおもしろくないぞ!という漫画がけっこうあります。
食戟のソーマ、僕は好きですが、薊政権あたりは擁護できないくらい
なんか意味がわかんねーよ!!!はやく十傑との普通の食戟みたいよ!
って思ってました。
つまりは、○○編は面白いけど、○○編は意味がわからない!
ワンピースでもアラバスタ編は面白いけど、その後の空島編は長すぎるし盛り上がりに欠ける
という読者がいますが
まさにそういう感じです。
へんな風に間延びしている編があると一気に読者は漫画熱が冷めます。
ジャンプの良さって
この続きはどうなるんだろう?
はやく来週の月曜日にならないかな???
ていうワクワク感にほかなりません。
そういうワクワク感がスラムダンクは終始あった。
その続きが気になる!面白い!
続きが全くわからない!
ていう感覚、年々少なくなってきますが
いい意味でスラムダンク連載中のジャンプは終始ワクワクしていました。
最後に
スラムダンク大ヒット理由は日常編にもある
スラムダンクの大ヒット理由、これはもうさっきまでずっと書いてきたように様々な理由がありますが、
晴子さんとバスケットシューズを買いに行く日常編など
たまーにしかないけど
桜木花道の日常もコミカルで好きでした。
試合ばかりではダレてしまうので緩急は必要ですし、
ああ、こんな風に日常を過ごしているんだと思える桜木の日常にホッコリしました。
つまりは、登場するキャラが魅力的だったというわけですね。
もう一つ!!!!
いつしか三井に感情移入していた
最初は桜木花道の視点から、僕らスラムダンクを読んでいましたが
気が付きました。
あれれ?なんだが、みっちゃん、三井寿にめっちゃ感情移入しているよ!!!
山王戦での3pシュートあたりは涙なしには読めないです。
そう、スラムダンクは桜木花道が主人公だけど、
もうひとりの主人公とも言える存在の三井寿。
怪我からバスケを引退し、不良に染まりながらも
バスケへの心残りがあった。
喧嘩して、安西監督に再開して
先生、バスケがしたいです!
そして、そこからの復帰!
ああ、人生って何度でもやり直せるんだなって思いました。
そんな不良→スポーツマンという方程式を
桜木花道、三井寿と二重に張っていた井上先生はすごいなって思います。
またスラムダンク、読みたくなる記事でした。
・スラムダンクのその後と連載再開、インターハイトーナメント表から考察|都市伝説
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