大学生でアルバイトをしているとよく聞く「103万円の壁」。
これはアルバイトでお金を稼いでも103万円までなら所得税がかからない仕組みからこう言います。
しかし「勤労学生控除」という制度が適応されると、130万円まで所得税がかからなくなります。
それだけ聞くと働きものの大学生は「じゃあその勤労学生控除を申請して130万円まで稼いだほうが得じゃん」と思うかもしれませんが
単純にそういうわけでもありません。
この記事ではファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)が勤労学生控除の相談を受けてきて
されがちだけど申請前に知っておきたい注意点を紹介します。
FPが勤労学生控除について相談を受け伝えたい注意点
では早速勤労学生控除についての注意点を紹介していきますね。
注意点①扶養控除の対象外になる
大学生でアルバイトをしている場合、ほとんどの人が親の扶養に入っていますよね。
16歳以上の子供を養う扶養者(主に親)は扶養控除が受けられ、支払う税金が安くなる恩恵を受けることができますが
その子供のアルバイトなどの収入は103万円を超えないことが条件となっています。
つまり子供が勤労学生控除を申請し1年間で103万円以上稼いでしまうと親の扶養から外れてしまい、
親が支払わなければならない税金が増えてしまいます。
これは子供本人の納税額だけを見るとお得ですが、扶養控除を受けられなくなった親の納税額を考慮すると
親の年収のほうがずっと多いことがほとんどであるため世帯として損をしてしまう可能性が多いにあります。
なので自分自身の納税のことだけを考えるのではなく、親に相談し世帯全体の納税額を考えて申請するか判断することだ重要です。
「自分は納税したくないし親の税金も増やしたくない」ということであれば
勤労学生控除は申請せず、1年間で103万円超えないギリギリの金額までを稼ぐに留まるのが良いです。
注意点②手続きが増える
勤労学生控除を申請するには状況によって方法が変わってきます。
収入を得ているアルバイト先が1つだけの場合はアルバイト先に「勤労学生控除を受けたい」と伝えます。
そしてそのアルバイト先で実施する年末調整で
・「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄にある勤労学生の項目に◯印をつけ
・「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」の基礎控除申告書の欄に
「合計所得」等を記載
し、アルバイト先の会社に提出すればOKです。
アルバイトの掛け持ちをしていてアルバイト先が2つ以上ある場合は自分で確定申告をする必要があります。
複数の会社から受け取っている給与をまとめて記録し、
「勤労学生控除」に関する事項を記載した確定申告書を税務署に提出必要があります。
「確定申告」と聞くと難しそうで心理的ハードルが上がるかもしれませんが大丈夫です。
申請にあたって分からないことがあっても
管轄の税務署に問い合わせをすると担当者が丁寧に教えてくれるので心配いりません。
ただ確定申告には毎年期限があること、勤労学生控除を申請するには学校側の証明書も必要になるため
スケジュールを逆算して早目早目に行動することが大事になります。
その他大学時代に知っておくとよいお金のこと
大学生は自由な時間が比較的多いので「ガンガンバイトしてお金を貯めたい!」
「少しでも稼いで好きなことに使いたい!」という人も沢山いると思います。
中には仕送りがなく自分で諸々のお金を工面している人もいますよね。
そんな大学生の皆さんに、学生時代に知っておいてほしいことを2つ紹介します。
まず1つ目は【お金の使い方にメリハリをつける】です。
どんなにアルバイトを頑張って稼いでも、なんとなくお金を使っているとお金は全く残りません。
なので自分でお金を使うところとそれ以外でメリハリをつけることが大事です。
例えば「友人とのカフェ巡りが大好きで趣味!」という人はそこにお金を使ったら良いと思います。
が、その代わり今までなんとなく付き合いで参加していた飲み会はいかないようにする、学校へはコンビニで飲み物や食べ物を買う代わりにマイボトルとお弁当を持っていく、など「ここはお金を使う」を決めていること以外はお金を極力使わないようにするのです。
「そんな我慢ばっかり続くかな」と思うかもしれませんが、「自分がお金を使う」と決めたものにはお金を使えるので、精神的に満たされてストレスも貯まりにくいと思います。
そして大学生のうちからお金の使い方にメリハリがあると、今後社会人になってからの資産形成にも有利です。
もう1つ、真面目な大学生ほど「時間があったらバイトしないともったいない」と思うかもしれませんが、
【大学生だからこそできる貴重な体験も沢山ある】ことも知っておいてほしいです。
大事な友人と朝まで何かについて語り合ったり、旅行に行ったり、自分の興味があることにとことんのめりこんだり。
社会人になると時間的に難しくなることも沢山あるので、アルバイトばかりするよりもそういった経験を沢山積むのも大事です。
そういった経験が卒業後の人生に活きることってたくさんあると思います。
まとめ; 家族への影響や申請の手間を考えて判断しよう!
勤労学生控除の注意点について紹介しました。
結論、勤労学生控除は親など扶養者含む世帯全体で税金がどうなるか、そしてその手続きの手間も考慮して申請するか否か判断しましょう。
今回の寄稿ライター・MAYAさんのご紹介
ライター名:Maya
ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)でゆるミニマリストのバイリンガルワーママ。夫はアメリカ人。
A Guide for a better tomorrow(より良い明日のためのガイド)を
テーマに、投資・節約・家計管理などマネー、
断捨離、英語、ライフハック、子育て等幅広いジャンルで
お役立ち情報を発信します。
ーMayaLogはこちらからー
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