イギリスが難民受け入れを拒否できなかった理由
今回のイギリスEU離脱の最たる原因として挙げられているのが
「他国からの移民難民の受け入れ」を拒否できなかったことにあります。
移民難民を受け入れたことによって人口は1.15倍に上昇。
イギリス国土の6人に1人が移民か難民という人口構成になりました。
そして、そこからイギリス国民の税負担のアップや移民難民問題が引き起こすイギリス国民の失業率増大を懸念して
国民投票によってEU離脱が決まった。
というのが簡単にわかりやすく説明すると、イギリスがEUを脱退した経緯となります。
しかし、ここまで読んで疑問に思うのが
「なんでイギリスは、難民受け入れを拒否しなかったの?」
っていうところ。
これはEU加盟国に課せられるEU法という決まりが大きくかかわってきます。
EU法についてウィキを読んでも文章が長く複雑なので簡単にわかりやすく解説していきましょう。
■EU法の3つの柱構造
第1の柱は、「経済や社会に関する権利」「欧州連合の諸機関の設立の根拠」最も古く最も重要。
第2の柱は「欧州連合の共通外交・安全保障政策」に関するもの。
第3の柱は「警察・刑事司法協力」
つまり、まずはEUの存在意義が決められ、その次に外交や安全をEU全体で守っていきましょうね。っていう決まり。
最後には治安をまもるためには警察や刑事、司法など一致団結して強力していきましょう。
これが大きな部分のEU法の柱となってます。
EU法は国の決まりよりも重い
EU法>国の法律という位置づけなのも特徴の一つです。
なぜなら、国の決まりを第一優先したら連合なんていうものは成り立ちません。
ここがEU加盟のメリットでもあり、デメリットでもある。
だって、EUで決まったことは加盟国は守らないといけませんからね!っていう点が大きい。
それはメリットとしては、治安をまもってくれたり
大きなEU圏内のマーケットで商売できたりとありますが、
デメリットとして、他国にEUが侵略されたら加盟国として参戦しなきゃいけないし、
また今回の移民問題です。
移民の受け入れもこのEU法を自国の法律よりも尊ぶっていう考えが基盤にどうやらあるみたい。
EU法に守られている4つの自由を見てみよう
1.商品の自由
加盟国はEU圏内で自由な流通をしていいよっていう自由。
加盟国であれば認可は必要ないけど、EU加盟国以外はマーケットの利用にはEUからの認可が必要となる。
2.労働者の移動
移民問題に関わってくる大きなところがこれ。
つまりは、労働者はEU圏内であれば自由に移動=住居の移転も可能。
国をまたいでも可能。
っていうことで労働者としては治安がよくて、しっかりした福祉環境で暮らしたい。
となれば、ちょっとイタリアはゴタゴタしてるし、災害とかもあったし、
ギリシアもなんかやばそう。
あ、陸続きじゃないイギリスってEU内だといいね!ってなる。
つまりはより良き環境をEU圏内の労働者が求め、
その答えがイギリス!ってなった。
その労働者がイギリスへ移動していくことをEU法では守られているので
拒むことはできない。
3.資本の移動
資本=貯金や持っている財産です。
EU圏内ならどこに自分の財産をおいておいてもいい。
これ他の国だったら、国をまたいで財産の移動とかすると、特別課税とかがある場合が多いけど、
EU圏内だったらそういうのもない。
つまり、上の労働者の移動と合わせて考えると、
労働者は自分の資本という名の財産をもって好きに移動してもいいよ。
っていうことがEU法で守られているわけ。
さらにEU法≧自分の国の法律だから
いくらイギリスが難民もうこないでよ!って思っても
それを禁じることはできないし、
また受け入れを拒否したかったらEUを離脱しなくちゃいけないっていうわけ。
4.開業の自由
最後は開業の自由。
これはEU圏内のどこでもお店開いたり、会社つくってもいいよっていう法律。
TTPもこれに似たところがあるので、非常に日本としては環太平洋圏内からの移民が増える可能性も今後高まる。
こわい。
イギリスが移民難民を受け入れ拒否できなかった理由まとめ
最後にまとめておくと
・EU法という加盟国は死んでも守れよ!っていうルールがある。
・EU法では労働者がEU加盟国のどこで暮らしても仕事しても会社つくっても自由だよと認めてある
・治安も福祉も行き届いたイギリスへGO!
っていう流れ。
キャメロン首相はEU離脱を反対していたけど、
国民投票ではその考えが通らなかったので辞任してしまうそうです。
こういう国が傾きそうなくらいの出来事のときは責任とってやめるのもまちがってないけど、
ちょっとそれは無責任な気もする。
国民としては、トップがコロコロ変わらない方が安心するだろうなって思いました。
しかし、EU法が良法なのか悪法となるのかは今後わかりそうですね。
ライター:上條
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