新潟市の政令指定都市から見る政令指定都市になるメリット
2007年に新潟市が政令指定都市になりました。
これは日本海側では初の政令指定都市です。
政令指定都市ってなんだろう?
それになるとどんなメリットがあるんだろう?
ちょうど「地方中枢都市圏」「地方創生」などたくさん呼びかけられる今日。
政令指定都市に今後も多くの都市がなると思います。
■今回の記事の内容 ・地方中枢都市圏とは ・新潟市の政令指定都市とは |
地方中枢都市圏とは何か
地方中枢都市圏とは、
東京圏・関西圏・名古屋圏の3大都市圏以外の地方圏のことです。
具体的には
・札幌
・仙台
・広島
・福岡
・北九州
・それ以外の社会的、経済的に一体化を有する地域を指します。
■地方中枢都市圏の条件
・3大都市圏以外の地域
・県庁所在市または人口30万人以上の地方中核都市
・社会的、経済的に一体化を有する地域
を指します。
新潟市が政令指定都市になるまでの歩み
基本的な流れを見ると
・「政令指定都市としての基本的な考え方」をまとめる
・「区割り」を決定
・「区名」を決定
・県庁などを含めた事務移譲手続き
・基本協定書作成
・政令指定都市なる上での県民の声を募る
・シンポジウムを行う
↑
ここまでを約3年かけて実施。
つまり政令指定都市になる準備は数年かかるようです。
政令指定都市決定後の動き
・支所、地区事務所各課の配置変更
・政令都市移行記念イベント
・ホームページのリニューアル
平成15年9月29日 第9回新潟地域合併問題協議会)において「政令指定都市・新潟市における行政区の基本的な考え方」を報告
平成16年9月8日~10月31日 区割りについての第一次意見募集
平成17年1月30日~2月25日実施 区割りについての第二次意見募集
平成17年10月31日~平成17年11月21日 新潟市の区名案を募集
平成17年11月18日 政令指定都市移行に伴う事務移譲について県と市の間で基本合意
平成17年11月29日 新潟県庁において「基本協定書」を締結
平成18年2月24日~平成18年3月9日 新潟市の区名意向調査を実施
平成18年4月17日 新潟市の政令指定都市移行実現に関する要望
平成18年8月1日 シンポジウム「新潟・浜松 政令指定都市の課題と可能性」
平成18年8月9日 5区の区名決定と掲載。
平成18年9月1日 政令指定都市実現に向けて「総務大臣に政令の改正を要望」
平成18年9月 3日 5区の名称に関する住民意向調査を実施
平成18年10月27日 平成19年4月1日 政令指定都市移行決定!
平成18年10月24日 新潟市の政令指定都市移行が閣議で決定
平成18年11月~平成19年3月 支所・地区事務所各課の配置を変更
平成18年11月 9日 「区役所開設準備状況等について」ページ開設
平成18年11月24日 政令指定都市移行記念イベントを発表
平成19年 3月29日 県・市間移譲事務の事務引継書を取り交わす
という準備があっての新潟市の政令指定都市への移行の様子でした。
では次に実際に政令指定都市になるとどんなメリットがあるのでしょうか?
政令指定都市になるメリット
おおまかに言うと、今まで市が交付や認可、発行できなかったことが
市の判断で発行などできるようになります。
またその施設を設立することも可能。
市としての充実がまし、また手間が省けるのでスピーディになるのがメリットの一つです。
「政令指定都市メリット:市の判断で交付できるものが増えた」
■保健・福祉
・市として児童相談所の設置
今までは「県」の認可が必要だった児童相談所の設置ができるようになります。
児童に関する専門的な相談や一時保護、施設入所措置を行います。
相談所の設置により、市において、円滑な相談・援助活動ができるようになります。
・精神保健福祉センターの設置
児童相談所同様に市の決定で精神保健福祉センターの設置が可能
精神保健と精神障害者に関する専門的な相談・指導などを行います。
センターの設置により、市において、円滑な相談・援助活動ができるようになります。
・療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の発行
療育手帳や精神障害者保健福祉手帳などの交付、発行も今までは住民→市に申請→県が交付という3手間だったのが
住民→市に申請し、市が発行という2手間で済むようになりました。
現在は、市を経由して県が交付していますが、これらの認定・交付を市が行うことにより、事務が迅速化できます。
政令指定都市になる教育的なメリット
・小中学校教職員の任免等
小学校、中学校の先生の任免状。
任免状とは、採用するしない、また契約を打ち切るというもの。
市の特色を活かした先生の採用ができるようになりました。
実際に市にある学校それぞれにほしい人材は異なっている。
しかし、県が一括して採用権限を持っていると、そこでミスマッチが生まれてしまい、
先生の早期退職
不投稿問題にもつながりかねない状況を改善できる一手になるのではないでしょうか?
県が行っている小中学校教職員の任免等を市が行うことにより、
地域に密着した、特色ある学校づくりを進めることができるようになります。
政令指定都市になる都市計画・土木面のメリット
次に土木面のメリット。
・都市計画の決定権限
県道及び4車線以上の市道、
一定規模以上の公園・緑地・土地区画整理事業・市街地再開発事業などの都市計画決定ができるようになります。
都市計画も県が決定→業者に委託という展開でかなり時間がかかってしまいました。
つまりは渋滞緩和や都市の自然化に繋がるメリットがあります。
・国・県道の管理
市内にある3桁の国道(129号、412号、413号)および県道を市が整備、
維持補修することにより、市内道路を一元的に管理することができるようになります。
これは各都市国道や県道が走っています。
2桁国道は国が管理。
しかし、3桁国道の一部を市が管理や補修できるようになりました。
これは道路関係のしごとの受注が増えるきっかえになりそうです。
(注)これ以外にも、県との協議により市に移ることがある事務が多くあります。
区制の施行(行政組織上の特例)によるメリット
次に区制。
区によて行政区や区選挙などが設置できます。
これは政令指定都市だけに適応されるというもの。
政令指定都市だけに適用される行政組織上の特例として、行政区、区選挙管理委員会の設置などがあります。
行政区の設置により、区役所を拠点として、
地域の個性を活かしたまちづくりが進められるとともに、地域の実情に合った、きめ細かなサービスが実施できるようになります。
新たな財源等(財政上の特例)によるメリット
財政面でのメリットが大きい。
財政面でも、政令指定都市には中核市にない各種財源の移譲が行われます。
これは、移譲事務や行政組織の変更などによる新たな財政需要の発生に対応するもので、
これにより、財政基盤の充実が図られ、大都市にふさわしい財政運営が可能となります。
ここまでまとめると
・市で交付配布できる権限が増えた
・先生を採用する権限
・道路の補修権限
・財政面の増強
と政令指定都市になると、よりいっそう地域創生に繋がることばかり。
っていう印象を受けました。
ライター:上條
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